9-4<九段の丘>

  旅行かばん
 1970年代はじめの、留学していた頃、休暇になると日本まで帰れないので藤田正武牧師のいるコロラド州デンバーを訪れました。(アメリカではほとんどの州が州都と経済等の中心地は別なのが普通です。が、コロラド州だけが例外で、二つが一つになっている。)
   ある大金持ちの家に招待されたことがありました。冬の家は町の一等地にあり、こんもりとした森の中といった風情。道路を隔ててお向かいの家がかろうじて見える。夏の家は空が広く見える、郊外の広大な敷地の丘の上にあった。背後には私設のゴルフコースまで持っていた。わたしはその金持ちの所有する会社名を聞いてすぐにユダヤ系であることに気が付いた。
 今でこそ旅行の時、実に様々な種類のスーツケースを選ぶことができる、ありがたい時代である。昔は、少ない種類しかなかった。駅などでの扱いの荒々しさは、今も昔も変わらない。それでも50年前は比較的穏やかなものだったが、ジャンボジェットの大量輸送時代を迎えると扱いは一段とひどくなった。見ていると5つも6つもスーツケースを無造作に重ねて運んでくる。受難時代だ。そんなところにも目をつけ、時代を先取りした会社が、S社ではなかったか。
 この会社の名前こそSAMSONITE[サムソナイト]。昔からオフィス用品、とくに折り畳みのスチール椅子とかスーツケースでは世界で指折りの会社。これは素晴らしいネーミングだと思う。サムソナイトとは「サムソン」から来ているSamsonite、「サムソン人」、「サムソンのような」という意味になる。サムソンとは、ご存知旧約聖書に出て来る代表的な士師の一人。映画『サムソンとデリラ』でも有名。怪力の持ち主。まさに丈夫な製品のイメージにピッタリ。興味のある方は、旧約聖書の士師記13章から16章をお読みください。

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