10-2<九段の丘>

                                                 ペスタロッチ
 教育者の父と呼ばれたペスタロッチのエピソードです。彼が、スタンツ孤児院の院長時代、ある日、子供たちをつれて、近くの公園に連れていったことがありました。子供たちはたのしく走り回って遊んでいた。ペスタロッチもにこにこして見ていたが、公園の広場をあるき回りながら、何やら拾っては、ポケットに入れていた。
 それを遠くからながめていた警官が、そまつな服を着た男が、何やら拾ってはポケットに入れているので、不審に思ってやってきた。
 「もしもし、あなたはいったい何をしているんですか」と尋ねると、そのそまつな服を着たペスタロッチは、「なんでもないですよ」といって、ポケットから、とり出したのは、ガラスのかけら、古い釘、折れた針金、茶碗のかけらなどであった。「なんでそんなものを」と警官が聞くと、ペスタロッチは、「ごらんなさい。子供たちが楽しそうに走り回っているでしょ?しかもみんなはだしになっているでしょ!ですから、ケガをしてはいけないと思ってね」と笑いながら答えたといいます。
 教育の原点は、やさしさですね。

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