3-11<九段の丘>

                                        満足している漁師

北部から来た金持ちの実業家が、パイプを吸いながら自分の船のそばにのらくらと寝そべっている南部の漁師を見つけて、びっくりして尋ねました。

「なぜ漁に出かけないのかね?」

「だって、わたしは今日の分の魚はもう捕まえましたからな」

「なぜそれ以上に魚を捕まえないのかね?」

「それがどうだというんです?」

「もっと金が儲かるではないか。それであんたはモーターを舟に取りつけられる。するともっと深い海に生き、もっとたくさんの魚がとれるではないか。ナイロンの網が買えるではないか。そうしたらもっと魚が取れ、もっと金が儲かるではないか。間もなくあんたは2つめの舟が買えるだけのお金を持てるだろう……多分もっとたくさんの舟だってね。そしてあんたは、わたしのように金持ちなるだろうに」

「それがどうだって言うんです?」と漁師が尋ねます。

「あんたはなにもせずに人生をたのしめるってわけさ」と実業家は言いました。

「では、わっしが今していることとどう違うのかね?」と満足しきっている漁師は言いました。

                                         (アントニー・デ・メロ『小鳥の歌』より)

たくさんのお金を稼ぐことことのあくせくするより、自分の能力を楽しみのためにとっておくほうが賢明だと思いませんか。明日を思い煩うよりも、一日一日を楽しみ感謝することが大切でしょう。

さあ、卒業。さあ、新しい出発。

人生の区切りの時です。

ちょっと、立ち止まって考えてみよう。

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