九段教会コラム

このコーナーでは、教会からのコラムや行事等についての記事を投稿します。(不定期更新)


10-30<九段の丘>

2016年10月30日

                                        ネパール
 タイで乗り継いで計10時間で、ネパールの首都カトマンズに着く。ごった返す車と人々の無秩序な群れに圧倒される。日本と違うが、活気にあふれる。
 チャイルドファンドジャパンのネパール事務所を開設して久しくなる。自前の事務所を構える全責任を負う活動拠点だ。現地に住んで久しい田中真理子さんが所長を務めてくれる。大地震はネパールへの緊急支援を促し、通常支援の充実へと向かうことなるきっかけとなった。
 2つの郡に3つの現地NGO法人協力のもとこどもの支援を行ってきた。フィリピンとの違いは、こどもたちの住まいが広大な地域に点在しているので、マンツーマンの対応がほとんど無理なので、学校中心の支援を行うという方式をとる。公立学校の協力をいただく。
 今回は前期と後期のはざまの国民の祝日に重なったため、学校活動を直接見ることはできず、こちらから各家庭を手分けして回り、チャイルドとその家族に会うことができた。学校から急な斜面の凸凹な道を30分かけて徒歩で訪ねたが、それでも近い方で、片道1~2時間かけて登校してくるのは当たり前ということだった。
 自己満足にならず支援し、彼らをサポートし自立の成功事例を聞くたびに活動の喜びを味わっている。

10-23<九段の丘>

2016年10月27日

                            月をながめて(その3)
 「月をながめて」の最終回にしましょう。前回、月見に団子や芋を供えて祝うならわしがあることを話しました。そこで芋からもう一つ、芋と文化のお話をして締めくくりましょう。日本には芋の文化圏と呼ばれるものがあるそうです。それが前回申し上げて「芋」と言ったらどの芋を指すと考えるかで、その文化圏が決められているそうです。
 なぜ文化圏というかというと、もともと文化(culture)という言語は宗教上の儀式、祭儀をあらわすcultというのが語源です。このcultからcultivate(耕す)やculture(文化、教養が出たのおは興味深いことでしょう。また、農業のことをagricultureと書くのも面白いことです。そこでどの芋を耕し育てたかによって、それぞれの文化圏が色分けられるというわけです。
 教養、文化は耕すことと同じであり、大切に育てはぐくんでこそ豊かな実りが得られるのでしょう。それには水をやり、肥料をやり、ある時な忍耐も必要なのでしょう

10-9<九段の丘>

2016年10月09日

                                   月を眺めて(1)
 中秋の名月とは、陰暦の8月15日のこと。まだまだ月がきれいに見える秋が続きます。どういうわけか、日本人は星や太陽よりも月を愛(め)でる習慣があります。万葉集にも百人一首にも月を詠んだものが多いですし、童謡、民謡、流行歌にも月が取り上げられることが多いようです。
 地球から月まで38万キロ、この距離を光はなんと1.27秒でやってきます。でもそんな科学的な月の見方だと夢が消えてしまいそうです。満月にもう少しの月を「十三夜」。欠けるところのないまん丸の月を「十五夜」と呼びます。何とも言えない呼び方です。やがて「十六夜(イザヨイ)」になり、月の出が少し遅くなりますから、それを待つ気持ちがよく表されえている言葉が続きます。十七夜は「立ち待ち」、十八夜は「居待ち」、そして十九夜は「寝待ち」と言います。月の出がだんだん遅くなる様子がよくわかります。
秋の夜長、テレビを消して、外に出て、もう一度月を眺めるゆとりが欲しいですね。あしたは、また、朝から、また忙しい一日が始まるのですから。

10-2<九段の丘>

2016年10月01日

                                                 ペスタロッチ
 教育者の父と呼ばれたペスタロッチのエピソードです。彼が、スタンツ孤児院の院長時代、ある日、子供たちをつれて、近くの公園に連れていったことがありました。子供たちはたのしく走り回って遊んでいた。ペスタロッチもにこにこして見ていたが、公園の広場をあるき回りながら、何やら拾っては、ポケットに入れていた。
 それを遠くからながめていた警官が、そまつな服を着た男が、何やら拾ってはポケットに入れているので、不審に思ってやってきた。
 「もしもし、あなたはいったい何をしているんですか」と尋ねると、そのそまつな服を着たペスタロッチは、「なんでもないですよ」といって、ポケットから、とり出したのは、ガラスのかけら、古い釘、折れた針金、茶碗のかけらなどであった。「なんでそんなものを」と警官が聞くと、ペスタロッチは、「ごらんなさい。子供たちが楽しそうに走り回っているでしょ?しかもみんなはだしになっているでしょ!ですから、ケガをしてはいけないと思ってね」と笑いながら答えたといいます。
 教育の原点は、やさしさですね。